9月定例会議終了 議員研修会
今日は9月25日以降審査を行ってきた決算特別委員会の報告に関して、平成30年度決算を認めるかどうかの採決を取りました。
結論からすると一般会計決算と国民健康保険特別会計など6つの特別会計すべてにおいて認定することを決しました。
この一般会計決算の認定については共産党市議団から反対の討論があり、私を含め3人から賛成討論がありました。以下は私が行った賛成討論の全文です。
会派柏盛クラブを代表して、承第5号平成30(2018)年度一般会計決算の認定を賛成の立場で討論させていただきます。
決算書や審査意見書などで、いくつかの指標を通して柏崎市の財政の実態を確認しました。決算額は歳入530億5648万4000円、歳出509億7223万4000円となり、様々なものを差し引いた最終的な単年度収支額は4億3030万円の黒字となりました。
一般会計において単年度収支が黒字だとはいえ、財政力指数3か年平均が0.700、経常収支比率94.8%、経常一般財源比率95.1%、実質公債費比率3か年平均が13.1%というように、ある面からすると改善傾向がみられるものの、いまだに財政には余裕がなく弾力性がない現状があります。昨日今日の報道では、財政状況の厳しいと言われている新潟市の財政指数として、いくつかの数値が示されていました。今話した数値を新潟市と比較しても、財政状況にゆとりがない現状だと言えます。
その中、公共施設の適切な維持管理のため、公共施設等総合管理計画のもと、住民の理解を得ながらそのマネジメントを着実に推進していくことが必要です。施設の統廃合については、その当該地区に住んでいる人にしかわからない気持ちに寄り添い、決して財政面だけを主張したトップダウン形態になることがないように望みます。これは施設の統廃合だけではなく、市内の様々な組織の再編成についても同様のことがいえます。
財政の健全運営を目指すことは当然のことです。これからも無駄を省き、市民の目線に立ち、適切な予算執行を行ってほしいと思います。将来の安全安心なまちづくり、市民の福祉の向上に資する財源など、将来にわたり安定的な財政運営が行えることを望みます。
それではまず、毎年行っている事務事業等の評価について申し述べたいと思います。
「参考資料および報告書」には重点事務事業についての評価が記してあります。事業の評価には二つの視点があると考えます。いわゆる「アウトプット」の側面と、「アウトカム」の側面です。「アウトプット」は与えられた予算で何をどれだけ行ったのか、という視点であり、「アウトカム」は目標に対してどのような成果が出たのか、という視点です。事業の最終的な目的は「市民の福祉向上」です。そうなると、その観点は「市民の満足度」「市民生活の改善・利便性の向上」だと思いますので、それぞれの事業の目的を確認するとともに評価の観点を明確にし、データを適切に集め、「アウトカム」の評価、市民に分かりやすい評価をあわせて行うことが必要だと考えます。加えて言うのであれば、「データヘルス計画」の中に記してあるように、評価を「ストラクチャー評価」「プロセス評価」「アウトプット評価」「アウトカム評価」という視点で行うことが必要ではないかと考えるのです。評価の在り方について、改善を求めます。
次に、決算書における事業3点について申し述べます。
1点目は、市民の生命・財産を守るための「常備消防施設整備事業」です。高機能消防指令センター機器、車両動態位置管理システム機器等の購入としての2億1944万円余りは、今まで以上に正確な出場と対応場所での適切な活動のためには必要不可欠なものと考えますので、有効な活用をお願いしたいと思います。今の消防本部での通信システム等はすでに20年が経過しており、さらなる高機能化となると施設の増設が必要となるとのことです。また、今後は消防の広域化が避けて通れないものになってきます。日々の活動はもとより、様々な状況の変化に対応するとともに先を見据えた整備が求められています。
2点目は、子どもたちや若者のみならず8050問題に代表されているように社会問題となっているひきこもりへの対策です。「ひきこもり支援事業」に503万円余りをかけています。30年度から本格的にスタートした「アマテラス」での取り組みには大いに期待しています。アウトリーチに対応していけるスタッフの人数確保やその専門性の向上、他の専門機関との継続的な連携など課題も少なくないと思いますが、今後もさらに拡充すべき事業の一つだと考えます。
3点目は、「空き家対策事業」7302万円余りです。空き家対策は昨今の定住促進やまちづくりの対策として重要な役割を担っていると考えます。極端なものかもしれませんが、空き家率30%がその自治体の財政破綻の一つの目安となっているとの報道もあります。現状の空き家バンクや無料相談を進めるとともに、空き家にさせない取り組みに一層力を入れることを求めます。
また、すべての市の制度、事業、補助金給付などにおいて、その制度等を知らないために市民がサービスを受けられなかったということがおきないようにし、手続きにおいては窓口へ出向かなくてもインターネットを利用した申請に対応していくなど、周知の徹底・丁寧な相談対応および、サービスの強化工夫を要望します。
最後になりましたが、持続可能と安全安心をキーワードにした政策をもとに、市民が主役のまちづくりおよび、柏崎市の素晴らしさを市民そして全国に発信していく取り組みを、行政組織が一丸となってさらに力を入れていただくことを期待し、賛成討論といたします。
次の定例会議は12月5日からになります。
午後からは議員研修会として前逗子市議会議員の君島雄一郎様から講演をいただきました。テーマは「ICT活用で変わる議会改革、タブレット導入の効果と議員活動」でした。
現在も議員一人一人にタブレットで様々な情報や資料、メッセージが送られてきています。しかしそれを十分に活用できている議員ばかりかといえば、私を含めそうではない現状があります。今日は、いずれはペーパーレスの方向に進んでいくであろうことに対して、しっかりと対応できるスキルを身につけようとするとともに、こんな機能もプラスされるというデモンストレーションでした。
すべてにおいてペーパーレスになることはないのですが、これからはタブレットを使うことで今まで紙で配布されていた資料がほとんどなくなることは事実です。ペーパーレスを目指していくということにはこのような利点があると考えます。
・過去のデータをすぐに活用できる。
・複数の資料をすぐ見ることができる。
・大勢で一つの資料を共有できる。
いくつかの資料を机上に開きながら、また資料に直接書き込みながら説明を聞いたりすることに慣れているのでタブレットを使った説明を受けることにどれだけ対応できるのか不安もありますが、必要なこととして取り組んでいきたいと思います。
今日の研修を受けて、気持ちを新たにできました。君島講師、ありがとうございました。
#2019年9月 #本会議